財務省が決裁文書の書き換えを認めたことで、野党は麻生太郎財務相の政治責任を厳しく追及するとともに、佐川宣寿・前財務省理財局長の証人喚問を求めていく方針だ。
立憲民主党の福山哲郎幹事長は12日午前の記者会見で、「国会審議の信頼と前提を根本から覆す前代未聞の異常事態だ」と批判。その上で、「誰の指示で、いつ、何のために改ざんがなされたのか明らかにすることは不可欠だ」と訴えた。共産党の小池晃書記局長も会見で「内閣総辞職に値する問題にいよいよ発展してきている」と述べた。
立憲や民進など野党6党は財務省の説明に納得せず、8日以降、衆参両院の本会議や委員会を欠席してきたが、早ければ13日から審議に復帰して、書き換えの経緯や動機などについて追及する可能性も出てきた。12日午後には、参院予算委員会理事懇談会で財務省側の説明を受けたあと、対応を協議する。
野党議員の一人は「官邸は逃げ切ろうとしているが、じりじりやればどんどん支持率は下がる」と指摘。別の野党議員は佐川氏や安倍晋三首相の妻昭恵氏の国会招致について「もう逃げられないでしょう。それがなければ前に進めない」と語った。
一方、与党からは麻生氏の辞任は避けられないとの声が出始めた。自民党中堅は「辞任なんて当然のことだろう」。公明党議員も「書き換えの中身がひどい。普通なら麻生氏は辞めるだろう」と語った。