地下鉄サリン事件から23年となり、霞ケ関駅で献花する遺族の高橋シズヱさん=20日午前9時30分、東京都千代田区、代表撮影
1995年のオウム真理教による地下鉄サリン事件から20日で23年を迎えた。多数の被害者が出た東京メトロの6駅では事務所に献花台が設けられ、遺族や駅職員らが犠牲者を悼んだ。一方、後継・派生した3団体の近くで暮らす人たちは今も警戒を続けている。
法務省によると、教団の信徒らは現在、後継団体の「アレフ」、そこから派生した「ひかりの輪」、さらに内部対立でアレフから分派した集団の3団体に分散して活動する。3団体の拠点は15都道府県に計34施設あり、構成員は計約1650人に上るという。
このうち、ひかりの輪が拠点とする東京都世田谷区烏山地区のマンション前には、「烏山地域オウム真理教対策住民協議会」の監視小屋がある。教団にいた信徒らが入居した2000年以降、町会など36団体の住民が交代で出入りを見張ってきた。
協議会は地下鉄サリン事件の遺族や捜査員などを招いた学習会も35回続けてきた。17年間活動を続ける男性(66)は「普通の市民が犠牲になった。事件が二度と起きないよう、みんなが目を光らせないといけない」と話した。
3団体は現在、団体規制法に基づき、公安調査庁と警察の観察処分を受けている。ただ、ひかりの輪に対しては昨年9月、東京地裁が「松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚への絶対的帰依を否定している」として処分を取り消した。控訴した国との裁判の行方によっては今後、処分対象から外れる可能性がある。
協議会の古馬一行・会長(66…