世界選手権の練習用リンクでの調整を終えてあいさつする田中刑事(手前)、宇野昌磨(手前から2人目)、友野一希=イタリア・ミラノ、後藤太輔撮影
フィギュアスケートの世界選手権は21日、イタリア・ミラノで開幕する。19日は公式練習があり、男子は平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨(トヨタ自動車)、同18位の田中刑事(倉敷芸術科学大大学院)、全日本選手権4位の友野一希(同大)が調整した。宇野と友野が時折、笑顔を見せながら練習していた一方で、田中は終始険しい表情だった。
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宇野は4回転ジャンプを練習。ループとフリップを試み、成功したりしなかったり。ただ、転倒してリンクに横たわっても、樋口美穂子コーチに向けて笑顔を見せるなど、リラックスした様子だった。
五輪直後、「もう次の試合に向けて練習していこう」と、この大会に向け意欲的だった宇野。次の課題に掲げたのが、「羽生結弦選手(ANA)やハビエル・フェルナンデス選手(スペイン)のようなジャンプの精度、高さ」だ。ただジャンプを成功させるだけでなく、質を高めて出来栄え点(GOE)を稼ぐことができる選手になろうとしている。
田中は五輪直後、「本番で跳べなければ意味がない。ミスをしたことを背負っていきたい」と話し、「今までの経験より濃いものを得た。まだ上を目指したい」と誓っていた。この日の練習では、ジャンプの回転数が少なくなってしまう「パンク」を繰り返し、首をかしげていた。
友野は、羽生の欠場や無良崇人(洋菓子のヒロタ)の引退で急きょ世界選手権への出場が決まった。先週末に出た国際大会に続く連戦となるが、練習では疲れを見せずに意欲的にジャンプ練習を繰り返していた。(ミラノ=後藤太輔)