愛知県の児童相談所の一時保護所で1月、保護していた少年が自殺した問題で、当日に職員が少年から託されていた家族宛ての手紙の存在を県が報道機関に公表していなかったことが分かった。県は25日に再び記者会見し、「公表すべきだった」と認めた。
児相で保護中の16歳少年が自殺 愛知
愛知県豊橋市の少年(16)は家出中に補導され、1月11日に西三河地方の児童相談所の一時保護所に入った。同月23日午後6時ごろ、自室で首をつっているのが見つかり、病院で死亡が確認された。翌日の記者会見で県は「少年の無事を最後に確認したのは当日午後4時過ぎの職員の面談で、遺書などは見つかっていない」と説明していた。
ところが、県の川合光久・児童家庭課長や児相所長らによる25日の記者会見では、当日書いた家族宛ての手紙が2通あり、少年が手紙を職員に渡した午後4時50分ごろまで無事を確認していたと明かした。
手紙には「期待を裏切ってごめんなさい」などと書かれていたが、児相所長らは「遺書とはみなさなかった」と説明。無事を確認した時間は「記者の質問を『最後の面談の時間』と取り違えた」と述べた。
川合課長は「手紙は公表すべきだったし、質問への回答で不適切な部分もあったが、当初の会見全体は適正だった」と釈明した。