試合後の記者会見に臨むハリルホジッチ監督=長島一浩撮影
(27日、サッカー国際親善試合 日本1―2ウクライナ)
格下のマリ相手に見せ場をつくれず引き分けた23日の試合を受け、日本代表のハリルホジッチ監督はウクライナ戦で「結果を求める」と強調していた。そんな意気込みが空振りに終わったショックは、計り知れない。
ハリルJ、ウクライナに1―2で惨敗 仮想ポーランド戦
ハリルと選手に漂うぎくしゃく感 戦える集団とは
W杯本番を想定した一戦で、生命線の守備が機能しなかった。
緩急織り交ぜたパスや力強いドリブルでメリハリのついたウクライナの攻撃に、守りが振り回され続けた。スピードについていけず、一歩が遅れる。前半21分の失点は、攻め上がっていた相手DFにまでマークが付けず、フリーで打たせたミドルシュートが原因のオウンゴールだった。
FW原口は言っていた。「いまの日本は守備が機能すれば、最善のサッカーができる」。前線の選手から相手に圧力をかけて高い位置で球を奪い、攻撃のチャンスに転じるサッカーを、ハリルホジッチ監督が就任してから一貫して追い求めてきた。昨秋に経験した世界トップクラスのベルギーとの試合では一定の成果が見られ、選手たちは自信を深めていた、はずだった。
後半も後手に回る展開が続き、「ジャブのように、体力的にきいてきた」と主将のMF長谷部。後半24分にもマークしきれなかった相手選手にシュートを決められた。
W杯に出られない2カ国との連戦を1敗1分けで終え、海外組をそろえた試合は、昨年10月のハイチ戦から5戦連続で未勝利となった。W杯開幕まで残り2カ月半の今、選手たちが下を向くことが一番、怖い。(清水寿之)