2月3日にあった慶応義塾中等部の一次試験。応援に駆けつけた進学塾関係者らの姿も目立ち、会場はお祭りのような雰囲気もあった=港区三田2丁目の慶応大学
今年度の入試シーズンが終わった。学校説明会や模擬試験で人気の高さが目立っていた早稲田、慶応や「MARCH」と言われる明治、青山学院、立教、中央、法政といった私立大の付属校は、実際の試験でも盛況だった。系列の大学に内部進学できる魅力に加え、2021年の大学入試改革への不安などが後押しした。
2月3日朝。港区の慶応大学三田キャンパスで、中学入試の難関校の一つ、慶応義塾中等部の一次試験があった。正門付近は入場時間の前から集まった多くの受験生、励ましにきた塾関係者や保護者らの熱気に包まれた。
同校によると、受験者数は男子が883人(倍率5・7倍)、女子が385人(同6・5倍)。特に男子は昨年と比べて203人増と過去4年で最も多かった。「詳細な分析がなされたわけではないが、大学の入試改革への不安が大きい傾向が色濃く出た」と担当者。
慶応大の付属校の倍率は軒並み高かった。いずれも一般入試で、湘南藤沢中等部(神奈川県藤沢市)が5倍、志木高(埼玉県志木市)が3・9倍、女子高(港区)が3・3倍などと続いた。
「MARCH」も同じ傾向だ。青山学院高等部(渋谷区)も男子の一般受験者が67人増え、男女合わせての倍率は4・1倍だった。2022年に法学部を八王子市から東京都心へ移す計画がある中央大学の付属中(小金井市)でも3倍(1回目入試)と高い。昨年3回開いた学校説明会は例年に比べて参加者が多く、担当者は付属校人気の高まりを感じたという。
立教新座中(埼玉県新座市)は全体で1820人が受験。3年前の入試からは306人増え、大学進学についての質問が多く寄せられるという。担当者は「大学の『定員厳格化』の影響か入試改革なのかはっきり分からないが、不安の広がりは感じている」と話す。
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