近江―星稜 十回裏星稜2死一塁、金城(右)は奥川にサヨナラ二塁打を打たれる=加藤諒撮影
(31日、選抜高校野球 星稜4―3近江)
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七回から救援のマウンドに立った近江の左腕、金城登耶(きんじょうとうや)は、快調な投球を続けていた。延長十回裏も簡単に2死を取った。「(延長十三回から始まる)タイブレークも頭をよぎった」。ここで次打者に単打を許した。
2死一塁で、打席には、星稜の2番手として救援していた奥川恭伸。「相手打者が投手だったし、簡単に追い込めたので、ストライクを取れれば打ち取れると思った」と金城。心に隙が生まれた。
この日投じた62球目のカットボールは、高めに甘く浮いた。左中間を深々と破られてサヨナラ負けが決まった。「自分の気持ちの甘さが最後に出た」
闘志あふれる投球同様、金城は攻撃でもみせた。延長十回表、先頭打者として右ひじへ死球を受けて出塁すると、すかさず次打者の初球でスタート。「監督さんからはヒットエンドランのサインが出た。でも足には自信があるから、バッターが空振りしてもセーフになれると思った」。得点にはつながらなかったが、言葉通りの快走で好機を広げた。
夏にこの舞台に戻るには、好左腕・増居翔太を擁し、やはりこの日に姿を消した彦根東を乗り越える必要がある。「今日の最後の一球で出た甘さを消して、(この日先発した)林と2人で成長できれば十分に勝てる」と金城は言った。「滋賀大会は無失点で、甲子園に乗り込みたい」(平井隆介)
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●多賀監督(近) 六回に3点差を追いつかれる。「五回までうちの流れだった。継投のタイミングを誤った。すべて私の責任です」
●林(近) 先発した2年生左腕は六回の3失点を悔やむ。「勝負を急いで球が甘く入った。いい形で金城さんにつなぎたかった」