彦根東が七回に1点を追加し、ハイタッチして喜ぶ選手たち=県立彦根球場
第100回全国高校野球選手権記念滋賀大会(県高校野球連盟、朝日新聞社主催)の組み合わせが決まり、甲子園をかけた戦いがまもなく始まる。そんな中、強豪校の近江と彦根東が対戦する「メモリアルゲーム」が13日、県立彦根球場であった。両チーム合わせて31人が出場したが、ほとんどが夏の大会に出場しない選手たち。スタンドはこの日の「主役」に公式戦さながらの声援を送った。
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近江は一回、川崎蓮選手(3年)の中越え適時2塁打で2点を先制。2点を追う七回には2死満塁の好機をつくり、南天也選手(3年)の右越え三塁打で3点を挙げ、逆転。9―5で彦根東を破った。彦根東も四回に川瀬隼大選手(3年)の三塁打などで3点を挙げるなど、意地を見せた。
この日は、近江のダンス部が応援のチアリーディングで盛り上げた。南選手は「スタンドからの後押しもあって打てた。いつも練習してきたことが出せてよかった」と喜んだ。
近江の前川尋一選手(3年)の母・典子さん(47)は約90キロ先の京都府木津川市から駆けつけ、スタンドで見守った。前川選手は6番打者で一塁手として出場。2三振に遊ゴロと出塁できなかったが、典子さんは「最近は、1人では戦えないと仲間の大切さを伝えてくれるようになった。この3年間で人間的にも成長しました」とほほえんだ。
彦根東は3年生21人全員でベンチに入った。1番打者で遊撃手の北村駿選手(3年)は1安打を放ち、犠打も決めた。試合に出たのは約1カ月ぶり。北村選手は「全員で入れるのは最初で最後。全員で入れて幸せ。初回は緊張しましたが、後は試合を楽しめました」と笑みを浮かべた。
主務として練習の管理などを担当してきた。北村選手は「試合でプレーできるのはこれが最後かもしれない。今後は主務として選手たちが練習に集中できるようサポートしていきたい」と前を向いた。(石川友恵)