シンガー・ソングライターで児童文学作家の新沢としひこさん(左端)と、営業最終日の店内で合唱する人たち=2018年3月31日午後、名古屋市千種区、川津陽一撮影
日本初の児童書専門店として1973年に創業したメルヘンハウス(名古屋市千種区今池2丁目)が31日、45年の歴史に幕を下ろした。多くの親子たちが訪れ閉店を惜しんだ。
毎週土日に開いてきた「おはなし会」は最終日も午後3時から始まり、三輪哲さん(74)と息子の丈太郎さん(42)らが子供たちに絵本を読み聞かせた。
三輪さんらと親交のある絵本作家でシンガー・ソングライターの新沢としひこさん(55)のコンサートもあった。「いつまでもともだち」や「世界中のこどもたちが」などを約200人の親子たちと合唱した。
最後に哲さんがあいさつのマイクを握り、「みなさんからいただいた『ありがとう』の言葉をみなさんに返します。メルヘンハウスはきょうが最後ですが街から本屋が消えるわけではありません。本と人との出会いをこれからも楽しんでください」と呼びかけた。
メルヘンハウスは常時3万冊の絵本や童話をそろえ子供本位の経営姿勢が利用者から支持されてきた。オンライン書店に押されるなどして売り上げが減り、昨秋、2017年度末で閉店する方針を公表した。(佐藤雄二)