非鉄金属大手・三菱マテリアルの子会社で、自動車向け金属製品の品質データを改ざんしていた「ダイヤメット」(新潟市)が、不正を隠蔽(いんぺい)した責任をとり辞任した安竹睦実前社長を、同社の非常勤顧問につけたことがわかった。ダイヤ社は三菱マテグループの不正が公表された後も改ざんを続けていた経緯があった。経営責任のあり方が問われそうだ。
三菱マテ系、品質不正70年代から 「感度欠けていた」
ダイヤ社によると、顧問就任は1日付。「顧客との交渉の助言をしてもらう」ことが狙いといい、報酬や任期は未定。親会社の三菱マテも承認した。
ダイヤ社では1977年ごろから製品の検査成績書の改ざんなどが続いていた。安竹氏は三菱マテの岐阜製作所長を経て、2015年12月にダイヤ社社長に就任。17年5月には、全ての常勤取締役が集まる会議で改ざんの報告を受けたが、「(不正品の)件数も多く、すぐに改善することは難しい」などとして、不正を黙認。不正品は今年1月までにのべ113社へ出荷された。問題の発覚を受け、安竹氏は今年2月に社長を辞任していた。
三菱マテの問題では、処分の甘さを指摘する声がある。先に品質データの改ざんが発覚した神戸製鋼所は社長らが引責辞任。一方、同様の問題を起こした三菱マテは、竹内章社長ら首脳の処分を報酬の返上にとどめた。3月の会見で竹内氏は処分の甘さを繰り返し問われたが、「総合的に検討した」と繰り返した。(高木真也、上地兼太郎)