四回裏西武無死、森は右越え本塁打を放つ=日刊スポーツ
(4日、西武2-1ソフトバンク)
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「見逃したらボールだったと思います」。西武の森がお立ち台で苦笑した。
1点リードの四回。カウント3―1からの5球目だ。ソフトバンクの先発バンデンハークが投じたのは、森が最も得意としている高めのボール球。チームで3番目に低い170センチの体をめいっぱい使って振り抜いた。「積極的にスイングした。反応できた」。右翼席中段への今季1号。第1打席の先制打に続く一振りが、結果的に決勝点となった。
代名詞のフルスイングは、大阪桐蔭高時代に培ったものだ。その母校は選抜高校大会で史上3校目の連覇。吉報を知って「勇気づけられた。自分も頑張ろうという気持ちになった」。
プロ5年目。毎年レギュラー定着を期待されながら苦しんだ。昨季は開幕前に左ひじを骨折。夏場に1軍に戻ったが、捕手での出場機会は遠かった。今春のキャンプでは連日、早出して捕球の練習を黙々とこなした。投手との会話も密にした。
この日も新外国人右腕のカスティーヨをテンポ良くリード。強打のソフトバンク打線にも右腕の持ち味である150キロ台の直球で強気に攻め、五回まで無安打投球を引き出した。
「レギュラーを取るために必死にやっている。今日の経験を生かしてほしい」と辻監督。22歳が目指す「打てる捕手」へ、勝負のシーズンは始まったばかりだ。(大坂尚子)