2018年2月期の決算を発表するイオンの岡田元也社長=東京都千代田区
イオンは11日、米国のインターネット通販企業、ボックスドに出資すると発表した。米ネット企業への出資は初めて。アマゾンなどの攻勢が強まる中、ボックスドの人工知能(AI)を活用したデータ分析や、物流を効率化する技術を生かし、出遅れたネット通販事業を強化する。
イオンは昨年12月に発表した中期経営計画で、2020年度までの3年間に、ネット通販事業を含むITや物流の改革に5千億円を投資し、グループ全体で1%未満にとどまるネット通販での売り上げを12%に伸ばす計画を掲げた。ボックスドへの出資は、ネット通販強化策の第1弾となる。
ボックスドは13年に設立。ニューヨークを拠点に、日用品をオンラインで注文する通販サイトを全米で展開する。大量仕入れや物流の自動化でコストを抑え、商品を安く提供している。こうした技術をイオンのネット通販にも導入。顧客の購買データなどを分析して効果的な販促策や品ぞろえの拡充につなげ、物流業務や在庫管理の効率化も図る。
イオンはこの日の記者会見で、18年度から店舗への投資を減らし、デジタルや物流分野に傾斜配分していく方針を打ち出した。ソフトバンクグループ、その傘下のヤフーと提携して、アマゾンや楽天のような出店型の通販サイトも今年度中に立ち上げる方向だ。岡田元也社長は「技術を持っているところへ出資、参画し、イオンの現状を急速に変えなければいけない」と述べた。