米議会上院の指名承認公聴会で証言するポンペオ次期米国務長官=12日、ワシントン、ランハム裕子撮影
次期米国務長官に指名されたポンペオ中央情報局(CIA)長官は12日、上院外交委員会の指名承認公聴会に出席した。北朝鮮問題では日韓両国に対して米国が抑止力の提供を続ける重要性を強調する一方、米朝首脳会談の目的については「米国に対する核兵器の脅威について協議することだ」と述べ、米国にとっての安全保障問題に焦点を当てる考えを示した。
ポンペオ氏は公聴会で米朝首脳会談で目指す目標を聞かれ、「北朝鮮と合意を結び、北朝鮮の指導者が完全かつ検証可能な形で、米国を核兵器の危険にさらす試みを断念することだ」と強調した。ポンペオ氏は米朝首脳会談に向けた水面下の準備交渉を主導している。米朝首脳会談の実現に向け「私は楽観的に見ている」と述べた。
一方、ポンペオ氏は「タカ派」「好戦派」と評されることに「戦争は最後の手段だ」と述べて反論。「(金正恩(キムジョンウン)体制の)レジームチェンジ(体制転換)を支持しない」と述べた。ただし、今後の北朝鮮との非核化をめぐる交渉では、北朝鮮に「見返り」を与える前に米国が「恒久的かつ不可逆的な成果を得る」ことの重要性を強調した。
一方、トランプ大統領の「(米国と)ロシアが激しく憎しみ合う関係であるのは、フェイク&腐敗のロシア疑惑捜査のせいだ」という11日のツイートについて質問されると、ポンペオ氏は関係悪化の理由を「ロシアの悪い行為のせいだ」と述べ、トランプ氏との認識の違いも見せた。ロイター通信などによると、ポンペオ氏を次期国務長官に承認するかどうかの投票は23日に行われる見通し。(ワシントン=園田耕司)