定員を2倍以上に増やした成田空港の「保育ルームたんぽぽ」。子どもたちが元気よく手を挙げていた=千葉県成田市
もうすぐ始まる大型連休などには多くの旅行客でごった返す空の玄関。一年中稼働する各地の空港内では保育園の定員を増やしたり、新たに開園したりする動きが相次いでいる。勤務時間が不規則な職員らの中には「子どもを預けたい」と望む子育て世代も多く、働きやすい職場環境を整える狙いだ。
千葉県の成田空港第2ターミナルビルに隣接する立体駐車場ビル1階。「保育ルームたんぽぽ」は、成田国際空港会社(NAA)が2004年4月、国内で初めて空港内に開いた保育園だ。今月から定員が59人増え、105人になった。
「これからはゴールデンウィークや年末年始にも働くことができます」。空港内の化粧品免税店に勤める女性(32)は今月から長女(4)を預けている。「たんぽぽ」は空港と同じく年中無休。「日曜祝日も預けられるのは魅力。子どもが急に熱を出して呼ばれてもすぐに駆けつけられる」
3月まで長女を通わせていた保育園は、日曜・祝日や年末年始などは休みだった。免税店にとっては「繁忙日」。勤務を減らしてもらったが、心苦しく感じていた。勤務の時は仕事を持つ夫や両親が長女の世話をした。託児所を頼る時もあったが、1日約1万円の利用料金は負担だった。
同僚の中には、日曜などに子どもを預けられる保育園がないため、産休や育休の後に職場復帰できず、退職する人もいたという。
成田空港で働く人は、空港会社…