部屋や廊下の壁にはセンサーが内蔵されている=東京都港区、インヴァランス提供
入居者の好みや習慣などを人工知能(AI)が学習し、照明やエアコンなどを自動で制御する「AI搭載マンション」が東京・芝に完成し、23日から分譲が始まった。入居者それぞれに最適な生活環境を、AIが作り出すという。
マンションは、不動産開発のインヴァランス(東京都渋谷区)が開発した。部屋や廊下の6カ所に設置したセンサーが入居者の動きや部屋の明るさ、温度・湿度などの情報を収集。センサーには、スマートスピーカーなどの機能があり、照明やカーテン、エアコンが音声で操作できる。米国のベンチャー企業と共同開発したAIが収集した情報を学習・分析し、入居者に合わせた動きをするという。
例えば、朝起きてスマートスピーカーに「おはよう」と話しかけると、カーテンは自動で全開になるが、入居者が手動でカーテンを半開にし、照明の明るさを50%にしたとする。これを繰り返すと、AIが好みを把握し「おはよう」と話しかけただけで、カーテンは自動で半開に、照明の明るさは50%になるという。
このほか、専用のスマホ向けアプリで、外出先から風呂を沸かしたり、エアコンや床暖房を操作したりすることもできる。同社の小暮学社長は「家の中で人が行う行動の約8割をAIが自動で操作できる」と話す。
AIが搭載されている物件はマンション内の計3戸で、いずれも2LDK。価格は6980万円から。(篠健一郎)