27日、ホワイトハウスで行われたメルケル独首相との共同会見に臨むトランプ米大統領=ワシントン、ランハム裕子撮影
トランプ米大統領は27日、韓国と北朝鮮による南北首脳会談を「歴史的だ」と高く評価し、両首脳が「『完全な非核化』という目標を表明したことに我々は勇気づけられた」と語った。ただ、「過去の過ちを繰り返さない」とも強調し、北朝鮮の非核化が実現するまで「最大限の圧力」を続ける意向を示した。
ホワイトハウスで行われたドイツのメルケル首相との共同記者会見で語った。
トランプ氏は6月初旬までの開催を目指す米朝首脳会談に向けた北朝鮮側との交渉について、「とてもうまくいっている。劇的なことが起こる可能性がある」と手応えを示した。また、会談の開催地を「2カ国に絞った」と言及。これまでは「5カ所」(トランプ氏)としており、欧州やモンゴル、東南アジアの都市が候補地とされていた。米CNNは27日、米政府当局者の話として、米側はシンガポールを希望していると伝えた。
トランプ氏はまた、北朝鮮の核問題の解決に関して「(米大統領の)私に責任がある」とし、「もし私が成し遂げられなければ、多くの国や人々がとてもつらい時を過ごさなければいけなくなる。この問題は米国はもとより、世界的な問題だ」と語った。
一方、就任後初となる欧州外遊中のポンペオ米国務長官は27日、記者団に対し、3月末から4月初めにかけて極秘訪朝した際の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長との会談について「彼は真剣だと感じた」と述べた。「経済制裁によって、金正恩氏は非核化の協議が最も国益にかなうと考えた」とも指摘。南北首脳会談後の米国の北朝鮮への対応については、「我々は『恒久的で検証可能かつ不可逆的な大量破壊兵器の廃棄』の実現に努力している。その時まで世界規模で『最大限の圧力』をかけ続ける」と強調した。(ワシントン=園田耕司)