スバルのロゴ=東京都渋谷区の本社
スバルは27日、排ガスと燃費の検査の測定値改ざんに関する調査報告書を国土交通省に提出した。報告書は、少なくとも2012年末以降、903台の測定値を現場で組織的に改ざんしていたと認定した。品質に問題はないとして、リコール(回収・無償修理)はしないとしている。
報告書によると、12年12月~17年11月に、燃費や排ガスの測定値の改ざんがあった。改ざんの手口は現場で先輩から後輩へと受け継がれており、02年ごろには書き換えが行われていた可能性が高いという。
新車の出荷前に一定割合の台数を抜き打ちで検査する「抜き取り検査工程」で、検査員や班長が改ざんにかかわっていた。測定値のばらつきについて上司から指摘を受けるのを避けるために書き換えていたという。基準の範囲を逸脱した値を改ざんしたケースはなかった。悪い値を良くするだけでなく、良い値を悪くする事例もあったという。
報告書は不正の背景として、「規範意識の欠如」や「担当部署の閉鎖性」などを挙げ、「企業体質に由来する」と指摘した。
測定値の改ざんの疑いが発覚したのは昨年12月。その後、スバルが依頼した外部の弁護士が調査していた。吉永泰之社長は昨秋に発覚した無資格検査問題と合わせた一連の責任をとり、6月の株主総会後に社長を退くことを3月に表明している。ただ、代表権のある会長にとどまり、CEO(最高経営責任者)も兼務する。