カズオ・イシグロさん
「日の名残(なご)り」や「わたしを離さないで」などで知られる長崎出身の英国人作家で、昨年ノーベル文学賞を受けたカズオ・イシグロさん(63)が「日本・英国間の文化交流及び相互理解の促進並びに英国における対日理解の促進に寄与」したとして旭日重光章に選ばれた。日本でイシグロ作品を刊行する早川書房経由で、本人からメールで喜びのコメントが寄せられた。現在イシグロさんは新作を執筆中で、長編になるという。
カズオ・イシグロさんのコメント全文
生を受けた国日本からこのような勲章をいただき、身に余る光栄です。
西洋で育った少年時代、私は日本と英国の文化的関係のもろさを常々憂慮していました。
今日、両国の関係は強固で揺るがぬものとなっています。私の貢献が多少なりともその一助となり、今回の受勲となったのであればこれに勝る喜びはありません。
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コメント原文(英語)は以下の通り。
On receiving The Order of the Rising Sun, Gold and Silver Star.
I'm deeply moved to receive this honour from the country of my birth.
As a small boy growing up in the West, I always worried because the bridge joining the cultures of Japan and Britain appeared so fragile.
Today that bridge has become massive and strong, and I'm hugely proud if, as this decoration implies, I have myself helped, even in a small way, to make it so.