インドネシアのジョコ大統領が30日、同国に駐在する韓国と北朝鮮の両大使を首都ジャカルタの大統領府に一緒に招いて会談し、近く開催が予定される米国と北朝鮮の首脳会談をインドネシアで開催するよう提案した。複数の地元メディアが報じた。
両大使は同日午後、そろって大統領府に到着し、1台のゴルフカートに同乗してジョコ氏の待つ部屋へ向かった。会談後にジョコ氏は、27日に開かれた南北首脳会談について「我々の地域がより落ち着くことになり、開発や経済発展に集中できるようになる」と歓迎の意を報道陣を前に表明。今後予定される米朝首脳会談についても「インドネシアが会談場所を提供する用意があると伝えた」と述べた。
一方、朝日新聞の取材に対して米政府当局者は、開催地をスイスのジュネーブとシンガポールの2カ所に絞り込んでいると明らかにしている。ジョコ氏の提案がどう影響するかは不明だ。
インドネシアは北朝鮮の友好国の一つ。加盟する東南アジア諸国連合(ASEAN)などを通じて、北朝鮮の平和や安定に取り組んできた。インドネシアでは8~9月にジャカルタなどで国際スポーツ大会「アジア大会」が開かれる予定。韓国と北朝鮮は開会式での合同入場に合意しているほか、複数の競技で南北合同チームを結成することも検討しているとされる。(ジャカルタ=古谷祐伸)