住友商事と共同で新会社を設立した動画クリエーターのプロデュース大手、米フルスクリーン。展示会などでは支援しているクリエーターも披露する(住友商事提供)
住友商事は7月から、米大手企業と共同で、日本の動画やネットCM市場を狙った「動画クリエーター」の育成事業に乗り出す。ユーチューバーなど動画クリエーターは子どもにも人気の職業。AI(人工知能)の進化で職業の形が大きく変わろうとしている中、メディア事業などを手がける住商が次世代の才能を支援する。
住商の子会社のSCデジタルメディアが、米フルスクリーンと新会社「アルファボート」を設立した。フルスクリーンには6万~8万人のクリエーターが登録。再生回数や企業とのタイアップ実績、チャンネル登録者数、勢いに応じて「ティア1」を頂点とする四つの階層に分け、ティア1に近いほど手厚いマネジメントを提供している。
今回設立した新会社も日本で似た仕組みを導入。クリエーターは、ユーチューブ、ツイッター、インスタグラムなどのサイトから才能の原石を見つけて声がけをする一方、投稿実績など一定要件を満たしていれば、年齢や国籍問わず加入できる登録制とする。
育成は技能や実績に応じて実施。新会社は視聴者分析や著作権管理などを行うほか、分析データをクリエーターに提供してより質の高い、視聴される動画づくりに活用してもらう。広告収入は両者でシェア。上級者は企業とマッチングさせ、ネットCMの制作も任せるという。
新会社によると、国内で動画制作を生業とする人はまだ1千人足らず。多くが兼業だが、競争力のあるクリエーターを育成することで、安定収入が創作の中で得られるようにする狙いがある。
これとは別に映像業界の課題も…