激しく燃える建物=2018年5月12日午後3時25分、京都市東山区、朝日新聞社ヘリから、筋野健太撮影
12日午後2時半ごろ、京都市東山区祇園町南側の割烹(かっぽう)料理店「千花(ちはな)」付近から出火した。京都府警によると、木造2階建ての2階部分約60平方メートルが焼け、付近の6棟にも延焼した。けが人はいなかった。
出火当時、店に客はおらず、従業員4人が作業していた。府警によると、従業員は「バーナーを使っていた」と話しているという。
現場は京阪祇園四条駅から東に約100メートル。店舗などが密集する繁華街・四条通や八坂神社に近く、周辺にはお茶屋などが並ぶ。観光客らでにぎわう週末の午後で、あたりは騒然とした。府警は一時、四条通を通行止めにした。
北京から観光に訪れ、12日夜に千花を訪れる予定だったという中国人男性(22)は「有名な料理店だと聞いていて、何を食べようか楽しみにしていた。友達に薦められて、1カ月前から予約していたのに残念だ」と話した。
現場から約50メートルの和菓子店の女性店員(28)は「怖かった。店内まで煙が入ってきて、マスクをした」。近くの飲食店で働く女性(44)は「貴重品と鍵だけ持って裏道に逃げた。風向きが店とは逆方向だったけれど、いつこちらに変わるかとても心配だった」と語った。
千花は「ミシュランガイド京都・大阪2018」で最高評価の三つ星を獲得した有名店。店のホームページによると、1946年創業で、9年連続三つ星を得ているという。