元「忘れ物」であふれかえった店内。傘などの定番品以外に、石像などの珍品も=2018年5月、大阪市天王寺区、内田光撮影
「まだまだ勝手に関西遺産」
人間が忘れるのは記憶だけではありません。傘や財布、石像に松葉杖まで。すべての商品が忘れ物というワンダーランドに足を踏み入れてみました。
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お得なものが大好きな関西人が詰めかけるデパートの催事、忘れ物の処分市。電車に置き忘れた傘などを販売するイベントは1970年代後半に松坂屋大阪店で始まり、2004年からは梅田の阪神百貨店に引き継がれてきた。しかし、「初日の駆け込み客が多く、安全確保が困難」(広報)として、12年を最後に開かれていない。関西人のパワー、げに恐ろし。
JR大阪環状線の桃谷駅前には、忘れ物を販売する常設店舗「鉄道わすれもの店 兼商(けんしょう)」がある。店主の高橋兼司さん(38)によると、電車内に限らず大阪府内の忘れ物全般を扱うが、店名に「鉄道」を冠するのは、戦後に西成で事業を起こした祖父の代からの名残という。
商品は、警察署に届けられて保…