2回、ガニガン・ロペス(右)を攻める拳四朗=諫山卓弥撮影
プロボクシングのダブル世界戦が25日、東京都の大田区総合体育館であり、世界ボクシング評議会(WBC)ライトフライ級王者の拳四朗(26)=BMB=が、同級1位のガニガン・ロペス(36)=メキシコ=に、2回1分58秒でKO勝ち。3度目の防衛に成功した。
世界ボクシング協会(WBA)バンタム級2位の井上尚弥(25)=大橋=は、同級王者のジェイミー・マクドネル(32)=英国=と対戦。ライトフライ、スーパーフライ級に続く3階級制覇に挑戦する。
1年ぶり再戦、ワンパンチで制す
立場を入れ替えた1年ぶりの再戦。拳四朗が前王者を一発で打ち砕いた。2回中盤、ロペスの打ち終わりにスッと踏み込み、伸ばした右をボディーにめり込ませた。これで試合は終わった。「もう、気持ち良すぎてたまんないっす」。汗もほとんど出ていなかった。
王者のロペスに拳四朗が挑んだ昨年5月は接戦の末、拳四朗が2―0の判定勝ち。今回は、一度は4月開催が発表された後、延期になったことで苦手のサウスポー対策もばっちりだった。2度のフィリピン合宿ではいつもの倍近い約200ラウンドのスパーリングを重ねた。「パンチがよく見えて、一発ももらわなかった。こんなの初めて」
2番目に軽いライトフライ級は日本のお家芸の階級で、昨年5月に主要4団体の王座を独占したことも。それが、いまは拳四朗だけだ。一撃で仕留めたこのボディーは昨年の米国合宿で身につけた必殺技だ。みぞおちの少し上を狙ったものだが、打ち方は「ナイショです」とにやり。圧巻のKOで存在感は増してきた。