ぬいぐるみや菓子などシャンシャン関連商品が並ぶ松坂屋上野店。客が笑顔で商品を手に取っていた=2018年6月8日、東京都台東区上野3丁目
上野ではシャンシャンの誕生日の記念イベントが相次ぎ、グッズが次々と発売されている。
どうぶつ新聞
卵焼きでパンダの顔をあしらった弁当、まんじゅう、豆皿、靴、着物の帯……。上野動物園にほど近い松坂屋上野店にはグッズがずらりと並ぶ。シャンシャン誕生後に開発された商品は、ざっと70点。誕生日に合わせて、シャンシャングッズがもらえるスタンプラリーやトークショーも開き、さらに買い物客を呼び込む狙いだ。広報担当者は「商品にシャンシャンの名前があるだけで、反響が違う。大きな商機になっている」と喜ぶ。
上野のデパート「パルコヤ」でも、誕生から最近の様子までを撮影した写真展を開催中だ。一般公開時の体重を再現したぬいぐるみも置かれ、訪れた子どもらが抱いたり写真を撮ったりしてにぎわっている。
老舗も負けてはいない。幕末の文久年間(1861~64年)に創業し、戦後まもなくアメ横に店を構えただし専門店の「伊勢音」は、だし用の天然昆布に「誕生日おめでとう」と記したのし紙を付けて販売。1852年創業のお茶販売業「大佐和老舗」の商品の包装缶にはパンダの顔のイラストが描かれている。
ただし、上野観光連盟事務総長の茅野雅弘さんは「シャンシャンを見に訪れた人に、どうやって街に回遊してもらうかが課題」と話す。アメ横の食品販売店の経営者は「動物園からそのまま駅に向かう人もまだ多い。上野・御徒町で買い物をする客がもっと増えてほしい」。パンダ関連グッズを販売する店を紹介して商店街に誘客するマップを作ったり、イベント時に動物園と商業施設を周遊する無料バスを走らせたりと、まちぐるみで工夫を凝らす。
商店街を訪れる人は増えているといい、茅野さんも「シャンシャン誕生で街の活気が高まった。パンダとともに上野を盛り上げていきたい」と力を込める。(山田知英)