記念の「ドニチエコきっぷ」=(C)AKS
AKB48の53枚目のシングル曲を歌う16人を選ぶ「第10回AKB48世界選抜総選挙」が16日、開票日を迎えました。直近の大会を3連覇した指原莉乃さんが出馬せず、誰が1位になっても初の栄冠となります。開票イベントは午後4時15分、ナゴヤドーム(名古屋市東区)で開幕。節目の年となる悲喜こもごものイベントの模様を、詳しい記者の解説とともにタイムラインで追います。
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シングル曲を歌う顔ぶれを運営側が決めるので、自分が応援するメンバーが選ばれない――。そんなファンの不満を受け、ファン自らの投票で選抜しようというのが、総選挙の始まりだった。第1回は2009年7月、東京のライブハウス「赤坂BLITZ」で開かれた。1位に輝いた前田敦子さんの得票は4630票。司会進行をスタッフが務めるなど、こぢんまりしたファン向けの催しで、一般の人の耳目を引くことはほとんどなかった。
10年の第2回では大島優子さんが1位になり、スポーツ紙に「政権交代」と見出しが躍った。このときに選出されたメンバーが歌ったのが「ヘビーローテーション」だ。上位7人の顔ぶれが第1回と同じだったことから、「神7(セブン)」という言葉が生まれた。
テレビが盛んに報じ始めたのは第3回(11年)から。ワイドショーが「AKBの総選挙って何?」といった特集を組んだ。会場は日本武道館(東京)に。前田さんと大島さんの得票がそれぞれ10万票を超え、その規模の膨らみはファンをも驚かせた。伝説のスピーチとして語り継がれる、前田さんの「私のことは嫌いでも、AKB48のことは嫌いにならないでください」は、このときだ。
その後、総選挙は6月の風物詩として回を重ね、今年、ついに第10回を迎えた。過去9回で1位になったのは、前田さん、大島さん、指原莉乃さん、渡辺麻友さんの4人。前田さん、大島さん、渡辺さんはグループを去り、指原さんは今回参加を辞退した。339人の立候補メンバーの誰が1位になっても、初となる。
本命とされるのは、SKE48の松井珠理奈さん。11歳でシングル曲「大声ダイヤモンド」のCDジャケットの表紙を飾り、前田さんとセンターポジションを分け合った逸材だ。前々回、前回と3位に甘んじたが、常に10万票以上をたたき出すファンの固い結束に加え、地元開催の追い風を受けて、長年公言し続けてきた「1位を取る」を実現する可能性は大きい。
ライバルは前回4位の宮脇咲良さん。HKT48の1期生で、誰もが認める博多のエースだ。指原さんが不在となり、「博多で獲(と)った旗は博多が引き継ぐ」と1位を目指す。前回の松井さんとの差は約3万票。この差を挽回(ばんかい)するのに、指原さんのファンが持つ投票券の影響力は小さくない。
投票受け付け開始の翌日に発表された速報で1位だったNGT48の荻野由佳さんも、栄冠に手が届く位置にいる。前々回の95位から前回は5位に大飛躍し、ファンがメンバーを押し上げる総選挙の面白さを体現した。今回も速報時点ですでに6万票近くを獲得し、速報2位の松井さんに2万票以上も差をつけた。前回は速報後の票が伸び悩んだが、今回はどこまで得票を増やすのか注目される。