前半、スイスのベーラミ⑪から激しいマークを受けるブラジルのネイマール=AP
(17日、ブラジル1―1スイス サッカー・ワールドカップ)
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失点を境に、ブラジルの顔つきが変わった。選手の表情の話ではない。前半は優勝候補の力を示し、同点にされたあとは粗い力攻めに終始した。
1―0で折り返した後半5分。相手CKでゴール前をぽっかりと空けてしまった。ツーベルに至近距離からヘディングシュートを許した。
残り時間は十分にあった。じっくりと構えるところを、前のめりになって攻め急いでしまう。それまでの緩急をつけたパスワークが消えた。
強引にゴールへと攻め急ぐプレーが増えた。象徴的だったのがネイマールだ。やみくもにドリブルで突っ込んでは、ボールを奪われてカウンターを許した。その原因をチチ監督は「大きな重圧を感じていた」と話している。
失点するまでのチームは多彩な攻めを披露した。アクセントは左サイドに位置するネイマールとマルセロのコンビネーション。長短のパスを織り交ぜ、スイスを混乱させた。
前半20分の先制点はそんな波状攻撃で手にした。
スイスがゴール前まで下がったところで、マルセロが左からクロス。相手クリアを拾ったコウチーニョが右足内側で曲げる技ありのシュートを決めた。
「創造的なプレーもあったし、チャンスも作った。でも、どう90分を戦うかを考えなければいけない。結果はもちろん不満だ」。チチ監督は内容と結果に注文を忘れなかった。
シュート20本で1点という効率の悪さも含め、選手には落ち着きを求めた。失った勝ち点2を高いレッスン料として、第2戦につなげたい。(潮智史)