(17日、ドイツ0―1メキシコ サッカー・ワールドカップ)
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電光石火のメキシコの速攻だった。
前半35分、自陣からボールを奪って始まったメキシコのカウンター。FWエルナンデスが仲間とのパス交換で抜け出すと、ペナルティーエリアの前で、左サイドを駆け上がってきたMFロサノへパス。ロサノは追いすがるドイツMFエジルを切り返してかわし、豪快に右足で蹴り込み、決勝点を奪った。
後半こそドイツの猛攻に守備一辺倒になったが、メキシコが試合開始からやみくもに守りを固めていたわけではない。ドイツの緩慢なパスに狙いを定め、奪った瞬間にスイッチを押したかのように複数の選手が一気に前線へ走り出した。ドイツのセットプレーの際もセンターラインに3人の攻撃の選手を置き、「隙あらば……」という姿勢を見せ、ドイツにプレッシャーをかけ続けていた。
前半のシュート数を見ると、ドイツの8本に対し、メキシコは9本。相手にボールを持たれながらも、いかに攻撃の意識が高かったのかがわかる。積み重ねが得点につながった。
もともと対戦成績はメキシコの1勝5敗5分けと圧倒的に分が悪い。メキシコのオソリオ監督は「6カ月前からプランを立てていた」と明かす。スピードの速い選手を両サイドに配置し、世界でも指折りのスピードを持つロサノらを生かす戦術だった。
先取点を奪った後には、ドイツが長身FWゴメスらを投入してくることを想定して練習。最終ラインの人数を5人に増やし、逃げ切った。狙いがはまっての快勝に、ロサノは「全員のハードワークの結果。メキシコサッカー史上、最も大きな勝利の一つであることは間違いない」と誇った。(河野正樹)
●レーウ監督(独) 「前半、いつものようにプレーができず、がっかりだ。これまで大きな大会の初戦はずっと勝ってきたのでこの状況に慣れていない。次戦スウェーデン戦は勝たなければならず、プレッシャーがかかるが、しっかり克服したい」