後半、一触即発のブスケツ(中央奥)とファジル(同手前)の仲裁に入るイニエスタ(右)=関田航撮影
中西哲生の目
(25日、スペイン2-2モロッコ サッカー・ワールドカップ)
波に乗り切れていないスペインは、モロッコ戦もピリッとしなかった。
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右スローインから左に細かく展開した前半の得点は、彼ららしい同点ゴールだった。どういう角度でボールをどこに運び、どこでスピードアップするかが、試合をするごとに少しずつそろえられてきたことの表れではあった。
しかし、後半にまさかの勝ち越しを許した。連敗したモロッコだったが、そんなに簡単に仕留められないという点で、同じ状況のポーランドと戦う日本にも教訓になると思う。
その後、選手交代をしてワントップからツートップ気味に。CKから何とか再び追いついたが、がっちり引かれた相手を崩せる中盤の組み合わせに、完全な回答は得られないままだ。
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2度目の同点ゴールはいったんオフサイドと判定されたが、今大会から導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)で翻った。
ヒールキックでシュートを決めたアスパスと、モロッコのブスファはパスが出た瞬間、足が同一線上に並んでいたが、アスパスは上半身がゴール側に向かい、ブスファは守備ラインを上げようと逆に動いていたから、副審がオフサイドと見たのは無理がなかった。
テクノロジーの導入は、正確に判定されるものとして受け入れるしかない。それによって得点が取り消されたりPKをとられたりしても、感情を乱さずに試合を続けるチームが、優勝に近づくだろう。(スポーツジャーナリスト)