警察庁は28日、口座開設時の本人確認をインターネットだけで完結できるようにすることを決めた。7月2日から31日まで市民から意見を募ったうえで、金融機関に本人確認を義務づける犯罪収益移転防止法の施行規則を改正し、年内の施行を目指す。
現在のネットを使った口座開設は、顧客が運転免許証や健康保険証など身分を証明できる書類の画像を金融機関に送信し、金融機関がキャッシュカードや通帳を本人確認のために転送不要郵便で顧客に送っていた。
施行規則の改正案では、顧客が金融機関のアプリで顔写真と身分を証明する書類の画像を送信し、金融機関が照合する仕組みを認める。顧客が動画で身分証を示す方法も可能で、郵便を送らなくて済むようになる。すでに口座を持つ顧客が別の金融機関に口座を開く場合は、開設済みの口座に対し、口座開設を予定する金融機関が少額を振り込み、その入金記録の画像を送信して確認することもできる。
政府は昨年6月に閣議決定した「未来投資戦略2017」で、効率的な本人確認方法の検討を掲げた。顧客の利便性向上と金融機関の負担軽減のため、ネットで本人確認できるよう調整していた。(小林太一)