九州北部では29日朝、福岡県や佐賀県を中心に激しい雨が降っている。福岡管区気象台によると、29日午前7時ごろ、福岡県川崎町付近の解析雨量で1時間に約110ミリの猛烈な雨を観測した。気象台は記録的短時間大雨情報を出して注意を呼びかけている。
また、大雨の影響で土砂災害の危険が高まっているとして、福岡県の飯塚市、田川市、行橋市、嘉麻市、香春町、川崎町、苅田町、みやこ町、八女市、大牟田市の10市町に土砂災害警戒情報を発令している。
交通機関にも影響が広がっている。
JR九州によると、鹿児島線の基山(佐賀県)―久留米(福岡県)間、日田彦山線の城野(北九州市)―香春(かわら、福岡県香春町)で雨量計が規制値を超え、それぞれ午前5時半前から運転を見合わせているという。日豊線、長崎線、福北ゆたか線、原田線、後藤寺線では、福岡、佐賀両県内の各地で徐行運転している。
西日本鉄道によると、午前7時半ごろ、天神大牟田線の端間(はたま)―味坂(あじさか)間で線路下の土砂が幅約13メートルにわたって崩れているのが見つかり、小郡―久留米間の上下線で運転を見合わせている。復旧は正午ごろになる見込みという。
九州豪雨の被災地域に避難勧告
福岡県朝倉市は29日午前7時12分、昨年の九州北部豪雨で大きな被害を受けた杷木地域(杷木、松末、久喜宮、志波地区)などの計8地区に避難勧告を、その他の地区には避難準備・高齢者等避難開始を発令した。市によると、対象は市全体の2万1266世帯・5万3745人。避難所も3カ所に開設された。
隣接する同県東峰村も午前7時40分、村内全域に避難勧告を出した。対象は871世帯・2153人。避難所も4カ所に開設した。(徳山徹)