日本の中盤後方のパス回し
(28日、日本0―1ポーランド サッカー・ワールドカップ)
西野監督の大胆な采配で、攻撃は停滞したのか。日本は先発を6人入れ替えたポーランド戦、0―1で敗れた。3試合目で、初めて無得点に終わった。
ボール保持率は54%と、第2戦セネガル戦の53%とほぼ互角だった。そのなかで、日本のシュート数は10本(枠内3本)と、第2戦セネガル戦の7本(同3本)から増えている。決定力は欠いたが、効率よく攻めていることが分かる。
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日本の生命線はサイド攻撃だ。セネガル戦から左MFは乾から宇佐美に、右MFは原口から酒井高に代わった。前半35分には、この2人で決定機を作った。右サイドの酒井高が中央にパス。宇佐美がペナルティーエリア内をドリブルで突破し、右足を振った。惜しくも相手GKに止められた。
後半20分で退いた宇佐美はこの日両チーム最多の3本のシュートを放った。3分割したピッチの敵陣側で15本ものパスを受けた。一方で運動量、スプリント回数は低い。守備に不安は残るが、得点の匂いがする。
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初出場となった酒井高はシュートは1本だけ。トップスピードは時速28・58キロと、快足でならす原口に比べると物足りない。ただ、運動量は豊富で、パス成功率は88%と高い。攻守に安定感があり、起用も左右を問わない。
なぜメンバーを大幅に代えたのか。西野監督は「勝ち上がることを前提として考えていた」と明かす。1次リーグでフィールドプレーヤー20人のうち、17人をピッチに送り出した。主力組には貴重な休養を与え、控え組を見極めた。宇佐美は攻撃、酒井高は守備の切り札となる。決勝トーナメントで使える戦術の幅はぐっと広がった。
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