ブロック塀の倒壊で犠牲になった女児を悼み、事故現場に向かって黙禱(もくとう)する寿栄小学校の田中良美校長(手前)ら教職員=2018年7月18日午前、大阪府高槻市、室矢英樹撮影
大阪府北部を震源に最大震度6弱を記録した地震から1カ月を迎えた18日、ブロック塀の下敷きになって小学4年生の女児(9)が亡くなった同府高槻市の寿栄(じゅえい)小学校では、教職員が黙禱(もくとう)を捧げた。地震による住宅被害は大阪、京都、奈良、兵庫の4府県で計3万3180棟。調査が進むにつれて増え続けている。
大阪府の13日現在のまとめでは、府内の住宅被害は3万棟を超え、大半が一部損壊。被害が大きかった茨木、高槻両市では屋根にブルーシートを張った家屋が点在し、瓦のふき替えや外壁の修繕工事が始まった家屋もある。一方で、これまで自力で被害を確認できなかった高齢世帯などの調査で、外壁などの損壊が判明する例が相次いでいる。
被災者生活再建支援法に基づく住宅支援は一定数以上の全・半壊が対象で、今回は適用外の可能性があり、そもそも一部損壊は支援の対象外だ。大阪府は、一部損壊を含む被災住宅の補修に無利子の融資制度を独自に設け、避難所から自宅に戻るのが困難な被災者らに賃貸住宅を「みなし仮設住宅」として提供。17日午後6時時点で避難者は府内で約90人となった。
ブロック塀の倒壊事故を受け、高槻市は市内の公共施設にある高さ120センチ超のブロック塀をすべて撤去。全国の学校などでも危険な塀を撤去する動きが続いている。この日朝、寿栄小の田中良美校長は「大切な命を守れなかった自責の念と悲しみは1カ月がたっても変わらない。安心して学べる学校に全力で取り組む」と再発防止を誓った。
同市の浜田剛史市長も市役所で幹部職員ら約100人に訓示し、「亡くなった女児の保護者に改めておわびする」と謝罪。「被災した市民が一日も早く日常生活を取り戻せるように全力で支援する」と述べた。(沢木香織、室矢英樹)