「本当にこんな所まで来てくれるなんて!」、「なんてことないよ」という会話が交わされたのは今月13日午前。観光客の王浩さんは、北京の慕田峪長城(万里の長城)で、バイク便の「閃送」の配達員の男性と女性2人が交わすそんなやり取りを耳にした。王さんによると、「その時、一人の女性を背負っていた男性は、疲労のあまり息切れしていた。方向からして下山していたんだと思う」と振り返る。半島晨報が報じた。
バイク便の配達員の男性がなぜ万里の長城までやって来たのか?不思議に思った王さんは、背負われた女性の連れのもう一人の女性に問いかけたところ、「万里の長城を登っていたら、彼女が足を捻挫してしまった。そこで無茶かもしれないけれど、試しに閃送に薬と冷却パックを届けてもらえないかと電話をしてみた。それで応急手当をしてから、下山できないかと思って」という答えが返ってきた。すると、なんと注文を受けてくれた配達員がいて、すぐに薬と冷却パックを届けに万里の長城を登って来てくれてのだという。なにより王さんを感動させたのは、その男性配達員が負傷した女性を背負ったままかなりの距離を歩いただけでなく、途中で体力が限界に達して、女性を背中からおろした後も、引き継ぎ女性を支えながら下山したことだった。
慕田峪景勝地の観光客センターのスタッフは、「同日正午に、青いユニフォームを着た男子が景勝地に入っていくのを見た。30代くらいの見た目で、配達用のボックスを背負っていた。景勝地で、宅配サービスの配達員を見ることはほとんどない。検札口で、男性は入場券を買ったと言っていた。その時は、会社のユニフォーム姿でわざわざ万里の長城を観光しに来たのだろうと思っていた。薬を配達しに来たとは思ってもみなかった」と話す。
ネットユーザーからは、「そんな注文を出したのも驚きだけど、そんな注文を受けたのも驚き」や「心温まる話だ」、「配達員は本当に親切」、「普通の人が普通でないことをした」など、絶賛する声が続々と寄せられている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年5月19日