京都大医学部付属病院(京都市左京区)で昨年9月に誤って高濃度のセレン製剤を処方し、60代の女性患者を死亡させたとして、京都府警は23日、同病院に勤めていた薬剤師の男女2人を業務上過失致死の疑いで書類送検し、発表した。府警は認否を明らかにしていない。
捜査1課によると、薬剤師は男性(32)=大阪府茨木市=と女性(38)=札幌市。2人は昨年5月に処方箋(せん)の約1千倍の濃度のセレン製剤をつくり、同9月に処方されたセレン欠乏症の女性を急性セレン中毒で死亡させた疑いがある。調剤時に計量器に表示される単位を勘違いしていたという。
高濃度のセレンを投与すると、神経障害などを引き起こすおそれがある。京大病院総務課の担当者は「書類送検を把握できておらず、コメントできない」と話した。