インタビューに応じる小泉純一郎元首相=東京都内、迫和義撮影
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小泉純一郎元首相が朝日新聞のインタビュー取材に応じ、「原発ゼロ」に向けた国民運動をこれからも続けていくという考えを強調した。インタビューの主なやりとりは次の通り。
「安倍首相で原発ゼロ もう無理だ」小泉元首相が失望感
――2013年11月の記者会見では、首相の決断で「原発ゼロ」はできると力説しました。
「安倍首相が決断すれば、国民の多数は支持する、という意味で言ったんだよ。あの後、安倍首相に会ったときに『経産省にだまされるなよ』と何回も言ったが、苦笑するだけだった。もう無理だね。5年経っても気付かない。もったいない、やればできる大事業なのに見過ごした」
――――安倍政権は原発政策を推し進めています。
小泉純一郎元首相=東京都内、迫和義撮影
「(原発推進の勢力が)強いんだな。原子力産業の事業の裾野は広い。原発1基つくるだけで今、1兆円かかる。それにつながる企業がたくさんある。従業員の労組もおさえているから、(支援を受ける)野党もはっきり言えない」
「しかし、日本はいずれ、『原発ゼロ』をやらざるをえない。太陽光発電も風力発電もどんどん値段が安くなる。原発は安全対策などでますます高くつく。政府支援がないとやっていけないのが原発だ」
――5年前の会見で、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分場について「メドをつけられると思う方が楽観的で無責任」と。その後も大きな進展はありません。
「ない。福島の事故前から、原発は『トイレなきマンション』と言われた。私は13年8月、フィンランドの最終処分施設『オンカロ』を見て、『原発ゼロ』への確信を強めた。地下約400メートルで10万年、放射能が漏れないように保管する。ははは、いま、西暦2千……。それほど危険性が強い。日本は掘ると水どころか温泉が出る。そんな国で10万年保管できる場所は見つからないだろう」
小泉純一郎元首相=東京都内、迫和義撮影
「聴衆の傘に、雪が積もっていた」
――脱原発で手を組んで細川護熙元首相が出馬した14年2月の都知事選ですが、敗れた細川元首相に「『原発ゼロ』の国造り目指して努力を続けます」とファクスを送りましたね。
「選挙戦最終日(2月8日)の街頭演説、新宿でね、雪が降るなかで午後8時前だな、聴衆の傘にね、雪が積もっているんだ。(私たちを)待っていたんだよね。熱心だな、と思った。この盛り上がりをみて、いずれ、(もっと多くの人に)分かってもらえると思った」
「(細川氏の落選後)そら、み…