(25日、ヤクルト6―5巨人)
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セ・リーグを独走している広島を追えるチームは、ヤクルトなのか。今季3度目の5連勝で、2位に浮上した。原動力になっているのは、「攻撃の看板」と言える2人の長距離打者だ。
2点を追う五回、山田哲の左前適時打で1点をかえし、続くバレンティンが左越えに逆転の3ランを放つ。京セラドームの5階席に届く特大アーチで、来日から3戦3勝の巨人・ヤングマンを一気に攻略した。
場面はどちらも無死一、二塁。他の打者なら犠打や、右方向に打って走者を進める打撃もあり得る。
ただ、打力に全幅の信頼を置かれる2人は違う。山田哲は「追い込まれていないので、引っ張ってもいいかな」とカウント1―1から、その通りに打った。「すべての球」に対応するバレンティンは、3ボールからカーブに反応した。
球宴前は8連敗で最下位まで沈み、前半戦を終えた。期間中のチーム本塁打はわずか4本。一方で今回の5連勝では計11本。このうち2人で7本を量産している。「バットの軌道がよくなった」と技術を語る山田哲に対し、カリブ海出身のバレンティンは、「いい季節が来た」と好調の要因を挙げる。
本塁打王争いでも、前日に23号を放ってリーグ単独トップに立った山田哲に、一夜でバレンティンが追いついた。小川監督が「打つべき人が打っているのは、チームとしても大きい」と評価される両者。激しさを増す2人の競争を、首位追走の推進力にしたい。(井上翔太)
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○ブキャナン(ヤ) 七回途中5失点ながら8勝目。「失投を痛打されてしまって、自分にとってはタフな試合となった」
○小川監督(ヤ) 2位浮上にも「特に気にしていない。1日で代わることもある。必死に頑張って勝てれば」。