(25日、プロ野球 阪神6―3広島)
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本拠の甲子園で5連敗、さらに広島戦は6連敗していた阪神が、やっと苦境を脱した。導いたのは、どん底からショートを奪い返した2番・北條だった。
三回1死一、二塁ではスライダーを左前へ。この同点打が一挙4得点の口火を切った。四回は2死一塁から左越えの適時二塁打。ひじをたたみ、内角のシュートを打ち返した。この日は3安打1四球2打点で、お立ち台にも立った。「とにかく目の前の1打席に集中しています」と言った。
2年前、長く不動の存在だった鳥谷を遊撃から押し出した。だが、期待された昨季は不調で定着できず、今年は金本監督から名前が出ることも少なくなった。5月初旬までは2軍戦でも打率2割台前半だった。
高卒6年目だが年下の植田も台頭して後がなくなった。シーズン中にもかかわらず、打撃フォームを大幅に変えた。大きく上げていた左足をノーステップ気味に。長打を捨て、生きる道を確実性に求めた。これがはまった。6月に1軍昇格後は好調が続く。「2軍で打撃を見つめ直した結果です」と、控えめに言う。
まだかなえていない夢がある。「(藤浪)晋太郎と一緒に、お立ち台に上がりたいんですよ」。中学時代からの知り合いで、高校3年の春夏の甲子園では決勝で敗れた。同期入団で、成人式にも一緒に出た。ともにプロでは浮き沈みがあり、そろって活躍したことがない。一時の不調を脱した藤浪は26日に先発する。(伊藤雅哉)