沖縄の米軍基地反対運動を取り上げた番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、人権団体「のりこえねっと」の共同代表・辛淑玉(シンスゴ)さんが31日、番組を制作したDHCテレビジョン(東京)と、司会を務めた東京新聞元論説副主幹の長谷川幸洋さんを相手取り、計1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
「ニュース女子」放送継続か中止か 対応分かれる地方局
訴状によると、問題としているのは東京メトロポリタンテレビジョン(MX)で昨年1月2日と同9日に放送された番組と、同年3月13日にインターネット配信された番組の計3本。基地反対運動の参加者が暴力を繰り返し、辛さんの団体が金銭面で支援していると表現されたとして、「社会的評価を低下させられた」と主張している。損害賠償のほか、ネット番組の配信停止や謝罪も求めている。
番組をめぐっては、放送倫理・番組向上機構(BPO)放送人権委員会が3月、人権侵害を認定し、MXに再発防止を勧告した。提訴後に記者会見した辛さんは「BPOに指摘されても、DHCテレビはネット配信を続けている。侮辱された沖縄の人の分も裁判を戦いたい」と語った。MXからはBPOの勧告後に謝罪されたため、訴訟の被告にはしなかったという。
DHCテレビと長谷川氏の所属…