鹿児島市の鹿児島大病院で、入院患者らからほとんどの抗生剤が効かない多剤耐性の細菌が検出されていることが分かった。厚生労働省などによると、アシネトバクターという細菌が多剤耐性をもち、院内感染により複数の死者が出ている疑いがある。
同病院は3日に記者会見して詳細を説明するとしている。
アシネトバクターはどこにでもいる毒性の弱い菌。健康な人では問題はないが、病気で抵抗力の弱った患者や高齢者に感染すると重症化する恐れが高い。しかも耐性菌の場合、抗生剤が効きにくいので、症状を和らげるような対症療法しかできなくなる。
多剤耐性アシネトバクターによる院内感染は、2009~10年に帝京大病院(東京都)で60人が感染し、35人が死亡した例などがある。