河野太郎外相は4日午後、訪問先のシンガポールで米国のポンペオ国務長官と約20分間会談した。前日に北朝鮮の李容浩(リヨンホ)外相と接触し、日本の立場を伝えたことを説明。拉致問題の早期解決に向け、北朝鮮と直接協議する方針を伝えた。
日本側の説明によると、日米外相はすべての大量破壊兵器と弾道ミサイルの「完全かつ検証可能、不可逆的な廃棄」を目指す方針を改めて確認。北朝鮮が制裁逃れのために洋上で船を横付けして荷物を積み替えている「瀬取り」への対策で引き続き協力することで一致した。ポンペオ氏は、ロシアの銀行などを対象にした米国の新たな独自制裁を説明したという。
両氏は会談後、豪州のビショップ外相を加え日米豪閣僚級戦略対話も開催。インド太平洋地域のインフラ投資促進のため、米国が先月末に設立を表明したファンドも含め緊密に連携していくことを確認した。(シンガポール=田嶋慶彦)