(6日、高知商14―12山梨学院)
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最大6点のリードを満塁本塁打などでひっくり返されても、今年の高知商には関係ない。六回に再逆転。振りの鋭い強力打線が、試合の流れを引き寄せた。
3点を追っていたこの回、西村と乗松の連続適時打で1点差に迫ると、逆転打は4番の藤高。「逆境を楽しむ」というチームの思いを体現し、スローボールのような変化球を引っ張り込んで右前2点打とした。
再び1点を追う展開となった七回は、1年生の西村が決めた。浜田の適時打で同点に追いつき、なお1死満塁。直前で投手が右に代わったが、お構いなし。低めのフォークに食らいつき、三遊間を破る勝ち越しの2点適時打。思わず一塁上でガッツポーズが出た。
高知大会では、高校日本代表の1次候補でもある明徳義塾の右腕・市川から10点を奪い、勝ち上がってきた。早いカウントからバットを振り切る積極性には、確かな根拠がある。西村は六回の適時打について「カーブに張っていました。その前(第1打席)にストレートを打ったので」。狙い球は、選手それぞれだという。一人ひとりの考えがつながったとき、この打線は手がつけられない。(井上翔太)