(5日、ゴルフ・全英リコー女子オープン最終ラウンド)
日本女子41年ぶりのメジャー制覇の期待感は早々にしぼんだ。首位と3打差で出た比嘉真美子が前半でスコアを二つ落とす中、2組あとの最終組で回る2人、ホール(英)とパットラム(タイ)が刺激し合ってバーディー合戦。前半で一時9打差がついた。
10番で上位選手の成績が掲示される掲示板に比嘉が視線を送ったとき、「HIGA」の名前はなかった。
しかし、気持ちは切らさず、粘り抜いた。「順位は気にせず、とりあえず目の前の一打に集中した」
修正を試みても、理想の弾道はなかなか描けない。「すごい曲がって。どうなるかなと思ったんですけど」。英国では珍しい好天続き。フェアウェーは乾き、海岸沿いコース特有の強風が追い風の時は「すごい転がって」。しかし、再三グリーンからこぼれても、寄せの巧打が救った。「色々なバリエーションを使った。見ている人には楽しんでもらえたかな」
18番、3メートル強のパーパットを決め、5年前の7位を上回る自己最高の4位で締めた。大観衆の声援に右手を上げて応えた。「もうプロゴルファーとして大会に出ることはできないかも、と思う日々もあった」。3年前、日本ツアーのシード権を失う極度の不振に陥った思い出に、自ら触れた。
「こういう場に戻って、過去の自分よりも上に行けた。今までやってきたことは間違っていなかった」
この4日間も、「全然、一打も悔いはないです」。
迷いなく、言い切れた。(稲垣康介)