野田聖子総務相は5日、著書「みらいを、つかめ」(CCCメディアハウス)の8日の出版を前に、地元・岐阜市のホテルで出版報告会を開いた。女性や高齢者、障害者といった全ての国民が活躍できるフェアな制度を構築して多様な社会を実現し、「世界標準の国」を目指すという。
著書は自民党総裁選に向けた事実上の政策集。「立案段階から政府と党の議論をスタートする」と記し、安倍政権の政高党低の政権運営との違いを強調。さらに、安倍政権が進める金融緩和政策に対し、「マイナス金利等の副作用も考えるべきだ」と指摘した。「女性活躍、子供、家庭庁」の創設も掲げている。
野田氏は報告会の後、「3年前は『総裁選をやりたいだけだろう』『政策の中身がない』と注意された。そういうことを言われないために、自分の思いを明らかにしていこうと今日の運びになった」と記者団に語り、改めて総裁選への立候補に意欲を示した。
野田氏は、自らの事務所に関して金融庁側から伝え聞いた情報公開請求の内容を第三者に漏らした問題を抱える。今のところ、推薦人20人の確保のめどは立っていない。「(政策集を)読んでいただいて共鳴する人たちがいれば大義になる。一緒に取り組みたいという仲間が推薦人になってくれればいい」と述べた。(明楽麻子)