プロ野球・西武の強打者として活躍したオレステス・デストラーデさん(56)が5日、球団の誕生40周年を記念したイベントで2年ぶりにメットライフドームを訪れた。往年の青いユニホームで「ホームランチャレンジ」に臨んだが、6スイングして柵越えはゼロ。それでも、豪快なスイングでファンをわかせた。
デストラーデさんは1989~92年と95年、西武に在籍。左右両打席から大きなアーチを舞わせた。チームが日本シリーズ3連覇を果たした90~92年は3年連続でパ・リーグの本塁打王を獲得。90、91年には打点王にも輝いた。3番・秋山幸二、4番・清原和博と形成した中軸は、「AKD砲」として他球団から恐れられた。
当時、名二塁手として鉄壁の守備を誇った辻発彦監督が「俺がいくら打っても、お前がMVPをとっていった。俺がいくらチャンスをつくったか」といえば、デストラーデさんは「あなたはディフェンス。グレートプレーヤー」と返し、思い出話に花を咲かせた。
今季、西武は開幕から一度も首位を譲っていない。デストラーデさんは、「オフェンスがいいチームなので、投手が頑張ればチャンスがある。辻監督には伝えておいた。絶対に(工藤)キミヤスのソフトバンクには勝て、とね」。かつての仲間たちの健闘を祈りつつ、10年ぶりのリーグ制覇、そして日本一を期待した。(山下弘展)