自民党総裁選での対応をめぐり、党内第3派閥の竹下派(55人)を率いる竹下亘・党総務会長は7日、所属議員との会合を相次いで開いた。竹下氏は、参院議員側(21人)が推す石破茂・元幹事長支持で一本化を図りたい意向だが、衆院議員側に安倍晋三首相を支持する声が多く、8日の幹部会に向けて調整を急ぐ。
衆院竹下派「首相支持」相次ぐ 石破支持の参院と割れる
冷や飯食わせる、干してやる… 石破氏「そんなバカな」
人事で冷遇「そんな馬鹿げた話ない」 総裁選巡り竹下氏
竹下氏は7日午前、石破氏支持で意見集約を進めてきた参院側と意見交換。参院側の一任を受けている吉田博美・党参院幹事長が「竹下会長と話し合って決めたい」と述べた。竹下氏は、その後の記者会見で総裁選での活発な論戦の必要性を強調。石破氏支持の意向をにじませ、衆参で一本化を図る考えを示した。
ただ、同日夕にあった竹下氏と衆院側との意見交換では、「権力の集中の是正は必要だが、いま(首相を)代える必要はない」「総裁選が活性化するのはいいことだが、しっかりしたリーダーを選ばなければ、参院選にも勝てない」などと首相支持の意見が相次いだ。
竹下氏の後見人的存在である青木幹雄・元参院議員会長から石破氏支持の要請を受けている吉田氏も、竹下氏による石破氏支持表明に向けた環境整備に動いている。
首相も出席したこの日の党役員会で、吉田氏は党内にある首相に対抗した場合に総裁選後の人事で冷遇されるとの見方について、「どうか圧力はかけないでほしい。もし圧力があれば重大な決断をする」と発言。首相は「総裁選と人事は関係ない。自由闊達(かったつ)に議論し、終われば挙党一致の体制を取ることが大事だ」と応じたという。
竹下氏の動きについて、石破氏はこの日、訪問先の長野県内で「困難な中で(支持の)決断をしていただけるならば、その思いに全身全霊で応える義務はある」と記者団に語った。(久永隆一、南彰)