北朝鮮で今月、現地当局に拘束された日本人男性は、北朝鮮西部の南浦(ナムポ)で拘束されていたことがわかった。男性は30代で、海外の旅行会社が企画したツアーで北朝鮮に入ったという。日本政府は外交ルートで北朝鮮側に詳しい経緯の説明を求める方針だ。
複数の日本政府関係者が明らかにした。関係者によると、男性は南浦で複数人で行動中、北朝鮮当局に拘束された。南浦は海軍造船所などがある軍港として知られ、スパイ行為の容疑をかけられた可能性がある。外務省の邦人保護を担う領事局が引き続き情報収集などをしている。
北朝鮮では1999年、元新聞記者がスパイ容疑で拘束され、約2年間抑留されたことがある。政府関係者は「北朝鮮に対してどういう経緯で何の容疑で拘束しているのか説明を求める必要がある」と話すが、日朝間には国交がないことから、領事面会など通常の邦人保護対応が困難となっているとみられる。