ロッテの新人・安田が地元で1軍デビューした。10日に初昇格し、京セラドームでオリックスとの3連戦が始まったその日から3試合連続で「7番・DH」で先発。12日に放ったプロ初安打が一時同点となる2点適時打となり、大器の片鱗(へんりん)を見せた。
12日は3打席目まで無安打。そして、2点を追う九回2死満塁で4打席目が回ってくる。「ひざが震えた」。それでもカウント2―2から低めのフォークボールに体が反応した。一、二塁間をしぶとく抜き、2点適時打に。一塁上では大きなガッツポーズが飛び出した。しかし、試合はサヨナラ負け。「この1本に満足せず、勝利のために1本1本積み重ねていきたい」
大阪府出身で大阪・履正社高では2年夏、3年春に甲子園出場。高校通算65本塁打を放ったスラッガーはドラフト1位でプロ入りした。しかし、壁は厚かった。オープン戦で結果を残せず、シーズンが始まっても2軍で汗を流す日々が続いた。「速い球にまだ力負けしている部分があった」
パワーアップを目指し、キャンプ時よりも体重を5キロ増量。現在は100キロほどになった。「今はセンターから逆方向にも強い打球が打てていると実感しています」。プロの第一歩を踏み出した19歳。これからが楽しみだ。(辻隆徳)