(12日、高校野球)
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夏の甲子園、歴代最高の試合は? 投票ベストゲーム
今大会の注目投手の1人、星稜の奥川恭伸(2年)の夏が終わった。チームは済美との試合に、延長十三回タイブレークの末に11―13で逆転サヨナラ満塁弾の壮絶な敗戦。しかも、敵は打者ではなかった。
五回1死一塁、6番打者の奥川がベンチから出てこない。治療中であることを告げるアナウンスが流れた。奥川は「四回から右ふくらはぎがつっていた」。2分後、打席に立つと犠牲バントを決めたが、五回のマウンドには登らなかった。「投げられないことはなかったが、監督の判断で大事を取って降板した。でも自分が最後まで投げていればあんな展開にならなかったかもしれない」と悔しがった。救援陣が八回、6点リードを逆転された。何度も伝令役でマウンドに駆け寄った。「流れを止めたかったが難しかった」と奥川。九回、2点を奪って同点にしたが、タイブレークで力尽きた。
この試合、奥川は1回戦よりも球に伸びがあり、好調だった。4回を1失点と試合をしっかりと作っていた。しかし、「こういうこともあるんだと教えてもらった気がする。来年の夏、優勝するためにもっと成長したい」と誓った。(坂名信行)