(23日、ソフトバンク6―2日本ハム)
プロ初登板の1球目、138キロの直球は高めへ大きく外れた。日本ハムのドラフト7位新人・宮台の額には汗がにじむ。東大出身の投手として、51年ぶりとなる先発マウンド。「打者に向かっていく姿勢を忘れない」と全力で腕を振った。
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球は、ばらついた。それでも最速140キロの直球とひざ元へのチェンジアップとの緩急で、粘る。二回に2死から西田、牧原に連続適時打を浴びて2点を失ったが、崩れない。味方の援護がないなか、口を真一文字に結んで2点差のまま五回途中まで投げた。
神奈川・湘南高から進学し、東京六大学リーグ戦で通算6勝(13敗)を積み上げた。史上6人目の東大出身選手としてプロ入りすると、「ユニホームを着たら学歴は関係ない」ときっぱり。大学時代に使い込んだ「ポケット六法」は寮の引き出しにしまい、「筋肉や栄養についての本」を読みあさって練習に生かした。
春のキャンプで腰を痛めて出遅れたが、野球漬けの生活にも慣れて8月に2軍で2連勝。先発の座をつかんだ。
東大出身投手が勝利すれば、これも1967年の井手峻(中日)以来、51年ぶりだった。「そのへんはマスコミのみなさんに任せます」と本人は冷静だが、東大の仲間も応援に駆けつけたなか、プロの第一歩を踏み出した。ただ、チームは競り負けて5連敗。「緊張したけれど、まずはしっかり投げ切れた。これからは結果が求められる」。快挙は、次回登板にお預けだ。(山口裕起)