凱旋(がいせん)帰郷から一夜明けた23日、金足農(秋田市)の選手たちは同校で取材に応じた。約3週間ぶりに家族とのだんらんを楽しんだ選手たちは、リラックスした表情で質問に答えた。
吉田、3週間ぶりの自宅に「格別」 金足農の選手が会見
金足農が準優勝の報告会「みなさんの応援があってこそ」
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「やっぱりかわいかったっす」。菅原天空(たく)君(3年)は家に帰ると、愛犬のココ(雌のダップー)が、しっぽを振って飛びついてきた。宿舎でも度々、「ココに会いてぇ」と話していた菅原君。帰宅後は名前を呼び、真っ先になでてあげたという。
斎藤璃玖(りく)君(3年)は、母親に食べたいものを聞かれた。頭に浮かんだのは、好物の「ラーメン」。行きつけのラーメン店で、みそラーメンとぎょうざを食べた。「こういう味だったんだ……」と、久々の「故郷の味」をかみしめた。
菊地彪吾(ひゅうご)君(3年)は、2回戦の大垣日大戦で、背中にセミがついていたとSNS上で話題になった。秋田に戻ると、友だちから「セミ王子」とあだ名がLINE(ライン)で送られて困惑した。「神様が(セミを)つけてくれたんですかね」と笑った。
大友朝陽君(3年)は、同じ2回戦で勝ち越し本塁打を放った。クラスメートからサインを求められ、「吉田(輝星君)のサインをもらえよ」と笑って返した。大友君自身は、吉田君のサインボールを「5個は持っている」という。
決勝で大阪桐蔭打線につかまった五回、伝令に走ったのは工藤来夢(らいむ)君(2年)。マウンドに向かって全速力で走り、そのまま集まった選手たちを通り抜ける「ボケ」を披露。「(菅原)天空(たく)さんに『何してんの』と笑いながら言われた。(前日に)やれって言ったのに」
準決勝の伝令時も「元気の源は、あきたこまち!」と叫び、吉田君は「早く帰れ」と笑ったという。「少しでも雰囲気をなごませたかった」と振り返った。(神野勇人、野城千穂)